日本初のトランジスタラジオ「TR-55」——1955年
1953年、井深はベル研究所(米国)が発明したトランジスタの特許権を2.5万ドルで購入、小型ラジオへの応用を決意。当時日本の関係者は「家庭用ラジオにはトランジスタは無理」と反対したが、井深は技術者たちを鼓舞し、トランジスタの自社生産から研究開発を始めた。2年の奮闘の末、1955年8月、日本初のトランジスタラジオ「TR-55」を発売。18,900円(当時大卒初任給の約2倍)と高価だったが、戦後の若者のライフスタイルを変える画期的製品となった。1958年の「TR-63」は米国で爆発的にヒット、「ポケットサイズ」として世界市場に打って出た。井深と盛田が後の世界的企業・ソニーの基盤を築いた記念碑的製品である。