亀の前事件——政子の激烈な嫉妬と頼朝の愛妾をめぐる騒動
1182年、北条政子は夫・頼朝が鎌倉に囲っていた愛妾・亀の前の存在を知り激怒した。政子は父・時政の家臣・牧宗親に命じて亀の前が滞在していた源仲業の屋敷を打ち毀らせた。亀の前は辛うじて難を逃れたが屋敷は破壊された。事件を知った頼朝は怒り、牧宗親の前髷を強制的に切るという異例の制裁を加えた。時政もこの一件に黙認の責任があるとして一時鎌倉を離れ、頼朝と時政の関係に亀裂が生じた。「吾妻鏡」に詳しく記録されたこの事件は、政子の強烈な個性と頼朝との夫婦関係の激しさを今に伝えている。