幕末・明治の武士・政治家・剣客・書家。幕臣として幕府に仕え、武芸・剣術に秀でた。1868年の江戸開城にあたっては、勝海舟の使者として単身で西郷隆盛の陣に乗り込み、江戸の無血開城への道を開いた先駆け交渉を行った。その後明治政府では静岡藩権大参事などを経て、明治天皇の侍従・宮内大丞を務めた。剣術では北辰一刀流から独立した「無刀流」を創始し、「剣禅一如」の境地を体現した。書においても幕末三筆の一人に数えられるほどの腕前で、力強く大胆な作風が特徴。勝海舟・高橋泥舟とともに「幕末三舟」と称される。晩年は全谷寺を建立し、弟子の育成と仏道に専念した。1888年、病に倒れながらも端座して絶筆「霊」の一字を書き、その場で入定したとされる。