1730年、伊勢国松坂(現・三重県松阪市)の木綿商・小津家の次男として生まれた。幼名・富之助。11歳で父を失い、家業を継ごうとしたが商才に乏しく、母の勧めで京都に出て医学を学んだ。1757年、28歳で松坂に帰り、医師を開業しながら古典研究を本格化。1763年、伊勢参宮の途中で松坂を訪れた賀茂真淵と一夜の問答を果たし(「松坂の一夜」)、入門。真淵から『古事記』研究を託された。以後35年間、昼は医師、夜は学者として『古事記』の全44巻の注釈『古事記伝』を1798年に完成(1764年着手)。主著『源氏物語玉の小櫛』では『源氏物語』から「もののあはれ」を日本文学の本質として抽出。神道思想を儒教・仏教の「漢意(からごころ)」から解放し、純粋な日本精神「大和心(やまとごころ)」を説いた。鈴屋(すずのや)と名付けた自宅書斎で学問を営む。1801年、72歳で松坂にて没。