「業正がいる限り上野は取れぬ」——信玄を嘆かせた男
1557年以降、武田信玄は精強な武田軍を率いて西上野に幾度も侵攻した。しかし箕輪城の業正は、地の利を活かした巧みな籠城戦と野戦を駆使して武田軍をことごとく撃退した。信玄が直接大軍を率いても業正は一歩も退かず、信玄は「業正ひとりが上野にいる限り、上野を攻め取ることはできぬ」と嘆じたと伝えられる。戦国最強と謳われた信玄をここまで手こずらせた武将は他にほとんどいない。なお、6度撃退の逸話は江戸時代の創作の可能性も指摘されているが、業正が信玄の侵攻を阻んだ事実は広く認められている。