1832年、江戸に幕臣・中村武兵衛の長男として生まれた。幼名・釧三郎、号は敬宇。昌平坂学問所で儒学を修め、のち蘭学・英学を学ぶ。1866年、幕府派遣の英国留学生取締として渡英、ロンドンで2年間学んだ。帰国後、サミュエル・スマイルズ『Self-Help』を翻訳し、1871年に『西国立志編』として刊行。「天は自ら助くる者を助く」の冒頭で明治の若者に刻み込まれ、幕末から明治にかけて100万部を超える空前のベストセラーとなった。同じ時期にJ.S.ミル『自由之理』(原題On Liberty)も翻訳し、西洋自由主義思想を日本に紹介。1873年、私塾「同人社」を開設し、福澤諭吉の慶應義塾と並ぶ明治初期の私学として発展。1874年、森有礼・西周らと「明六社」を結成し、『明六雑誌』で啓蒙活動を展開。1881年、東京大学教授(倫理学)に就任。キリスト教に改宗し、女子教育にも尽力した。1891年、60歳で没。