和泉式部日記——皇子との禁断の恋を記した平安の傑作
和泉式部は冷泉天皇の皇子・為尊親王と恋愛関係となり、その死後は弟・敦道親王と深い関係を結んだ。この恋愛の経緯を三人称で記した「和泉式部日記」(1003年頃)は、情熱的な恋の感情と宮廷社会の複雑な人間関係を描いた平安女流文学の傑作とされる。百人一首に選ばれた「あらざらむ この世のほかの 思ひ出に いまひとたびの 逢ふこともがな」は病の床から詠んだとされ、死を前にして最後の逢瀬を求める切実な恋情を詠んだ。紫式部は日記に「和泉式部は軽薄だ」と記しながらも、その歌の才能を高く評価した。