1927年——『Essays in Zen Buddhism』で西洋に禅を伝える
1927年、大拙はロンドンのルザック社から『Essays in Zen Buddhism』(First Series)を刊行。これは西洋で初めて本格的な禅の学術書として受け入れられ、第2、第3シリーズと続刊された。大拙は禅を「神秘主義」ではなく「宗教的体験に基づく直接的真理探究」として提示、西洋キリスト教神秘主義やウィリアム・ジェームズの宗教経験論と対話可能な形で説明した。この著作によりロンドンの法律家クリスマス・ハンフリーズが感化されてロンドン仏教会を設立、若きアラン・ワッツが弟子となった。戦後の「禅ブーム」の起点となった記念碑的著作である。