1581年、信長は初めて弥助に会った際、黒い肌を墨で塗ったものだと思い、家臣に命じて上半身を力いっぱい洗わせた。しかし肌は白くなるどころかさらに黒く艶やかに光った。信長はこれに驚き感嘆して、弥助をすぐさま自らの家臣として召し抱えた。この逸話は『信長公記』に記されている。
1582年6月2日未明、明智光秀が謀反を起こし本能寺を包囲した。弥助は信長の側にいて明智軍と戦った。信長が自害した後、弥助は二条御所に移り、信長の嫡男・信忠のもとで抵抗を続けたが、最終的に捕縛された。光秀は「この黒人は動物であり、日本人ではないから殺すに及ばない。南蛮寺に送れ」と命じた。この言葉により弥助は処刑を免れたが、その後の行方は杳として知れない。
弥助は21世紀に入り、世界的なポップカルチャーの象徴となった。Netflixのアニメシリーズ「YASUKE」(2021年)では超自然的な力を持つ侍として描かれ、ユービーアイソフトの大型ゲーム「アサシンクリード シャドウズ」(2024年)では二人の主人公の一人に起用された。ハリウッドでは実写映画の企画も進行中で、「戦国時代の黒人侍」というストーリーが国境を越えて人々を魅了し続けている。