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建築
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ARCHITECTURE
増上寺——徳川将軍家の菩提寺と東京タワーが並ぶ名刹の歴史と現地
明徳4年(1393年)開山、徳川将軍15代のうち6代の菩提を弔う浄土宗大本山。元和8年(1622年)建造の三解脱門(重要文化財)と東京タワーが重なる景観は東京を代表する眺め。黒本尊・子育て地蔵・将軍霊廟など境内の見どころと除夜の鐘・節分豆まきの参拝ガイドを解説する。
目次
MOKUJI
増上寺の歴史——家康の帰依から将軍家の菩提寺へ
三解脱門と境内の見どころ
年中行事——除夜の鐘・節分豆まき・御忌大会
参拝ガイド——アクセスと周辺観光
よくある質問
増上寺(三縁山広度院増上寺)は、明徳4年(1393年)に開山した浄土宗の大本山だ。徳川将軍15代のうち6将軍の菩提寺として江戸時代を通じて幕府の全面的庇護を受け、最盛期には境内約25万坪・48学寮・末寺150以上を擁する一大宗教都市だった。現在も、元和8年(1622年)建造の三解脱門と東京タワーが重なる景観は東京を代表する絶景として多くの人を集める。
増上寺の歴史——家康の帰依から将軍家の菩提寺へ
光明寺から増上寺への変容
増上寺の前身は明徳4年(1393年)、酉誉聖聰上人が武蔵国豊島郷貝塚(現・千代田区紀尾井町付近)に開山した「光明寺」だ。室町時代には浄土宗の教義を伝える「関東十八檀林の筆頭」として発展した。
徳川家康の帰依と芝への移転
慶長3年(1598年)、徳川家康の命により現在の芝の地に移転した。家康は浄土宗に深く帰依しており、増上寺を菩提寺と定めた。以来、幕府の全面的な庇護のもと壮大な伽藍が整備された。
将軍6代が眠る霊廟
将軍
法名
二代・秀忠(夫人崇源院も)
台徳院
六代・家宣
文昭院
七代・家継
有章院
九代・家重
淳信院
十二代・家慶
慎徳院
十四代・家茂(和宮も)
昭徳院
かつての霊廟は日光東照宮に匹敵する壮麗な建築群だったが、1945年の空襲で大部分が焼失。現在は宝塔と石柵が残り、有料(500円)で参拝できる(9:00〜17:00)。発掘調査で将軍の遺骨とともに副葬品が発見され、和宮の墓からは夫・家茂の写真ガラス湿板が出土したことが幕末のロマンを伝えている。
三解脱門と境内の見どころ
三解脱門——唯一の戦災生き残り建築
境内で最重要の建造物は元和8年(1622年)建立の三解脱門(重要文化財)だ。高さ約21m・間口約19mの二重門で、増上寺の伽藍のうち戦火を免れた唯一の建造物。「三解脱」の名は、この門をくぐることで「貪・瞋・癡(むさぼり・いかり・おろかさ)」の三煩悩から解脱できるという仏教の教えに由来する。楼上には釈迦三尊像と十六羅漢像が安置されている(特別公開時のみ拝観可)。
大殿と黒本尊
大殿(昭和49年・1974年再建、鉄筋コンクリート造)の本尊は室町時代作の阿弥陀如来。天井には日本画家・福井爽人による「天女之図」が描かれる。大殿右手の安国殿に安置される「黒本尊」(秘仏・阿弥陀如来像)は恵心僧都源信の作と伝わり、長年の香煙で黒く変色した像だ。徳川家康が常に戦陣に携えたとされ、「勝運」のご利益で知られる。開帳は年3回(1月15日・5月15日・9月15日)のみ。
約1300体の子育て地蔵
境内には色とりどりの風車が供えられた子育て地蔵尊が約1300体並ぶ。7月の「地蔵尊奉賛法要」の時期、風車が一斉に回る光景は独特の哀愁と美しさを持ち、フォトスポットとしても人気だ。
年中行事——除夜の鐘・節分豆まき・御忌大会
行事
時期
特徴
大晦日除夜の鐘
12月31日
江戸三大名鐘・東京タワーとのライトアップ
節分追儺式
2月節分
年男年女・著名人による豆まき
御忌大会
4月上旬
法然上人命日法要・浄土宗最大の年中行事
初詣
正月
都内有数の参拝者数
増上寺の梵鐘は延宝元年(1673年)鋳造の江戸三大名鐘のひとつ。大晦日には東京タワーのライトアップとともに鐘の音が響き渡り、東京の年越しを象徴する光景となる。
参拝ガイド——アクセスと周辺観光
最寄り駅は都営三田線・御成門駅(A1出口より徒歩3分)または芝公園駅(A3出口より徒歩3分)、都営大江戸線・大門駅(A6出口より徒歩5分)、JR浜松町駅(北口より徒歩10分)。参拝無料(大殿6:00〜17:30)。
東京タワーとの定番フォトスポットは三解脱門正面から。夕暮れ時・夜間ライトアップ時が特にフォトジェニックだ。周辺には芝公園・東京タワー・旧芝離宮恩賜庭園が徒歩圏内。浜松町から竹芝桟橋に足を延ばせばお台場への水上バスにも乗れる。増上寺のスポット詳細でフォトスポットマップも確認できる。
よくある質問
増上寺と寛永寺はどう違うのですか?
増上寺は浄土宗、寛永寺は天台宗の大本山です。将軍の菩提寺として増上寺と寛永寺が交互に使われ、15代将軍のうち6人が増上寺、6人が寛永寺に葬られています(3人は他の寺や日光)。
黒本尊の開帳日はいつですか?
毎年1月15日・5月15日・9月15日の年3回のみ開帳されます。開帳日は多くの参拝者が訪れるため、早朝の参拝がおすすめです。
将軍霊廟は拝観できますか?
有料(500円)で9:00〜17:00に参拝できます。現在は宝塔と石柵が残るのみですが、静かな雰囲気の中で将軍家の歴史に思いを馳せることができます。
大晦日の除夜の鐘は一般参加できますか?
はい、除夜の鐘は一般参加も可能です。当日の整理券配布方式が多いため、早めに現地に来ることをおすすめします。東京タワーのカウントダウンと合わせて楽しむ人も多いです。
子育て地蔵を参拝するとどんなご利益がありますか?
子育て地蔵には子供の健やかな成長、安産、縁結びのご利益があるとされています。風車を供えたり、赤い帽子や前掛けを奉納する習慣があります。
最終更新: 2026年4月25日
── 了 ──
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