湊稲荷神社の逆さ狛犬をめぐっては、二つの伝説が語り継がれている。
伝説一(幕府批判説): 江戸時代、新潟奉行が廻船問屋に不当な圧力をかけた際、商人たちが憤りの意を示すために狛犬を逆さに奉納したという説。幕府への抵抗の象徴として逆さにしたとされ、民衆の気骨を示す逸話として語られる。
伝説二(神様の帰還説): 神様が旅から帰ってきた際、狛犬が喜んで逆立ちしたという微笑ましい伝説。港の神らしく、航海からの無事帰還を喜ぶ様子を表しているとも解釈される。
どちらの説が正しいかは定かでないが、「逆さ狛犬を回しながら願を掛ける」という独特の習俗はこの伝説とともに定着し、新潟市の民俗文化財として保護されている。