原市氷川神社は、室町時代の14世紀後半から15世紀初頭にかけて創建されたと推定される。素戔嗚尊と稲田姫命を祭神とする氷川信仰は武蔵国に広く浸透しており、当社は中山道の間の宿として発展した原市集落の鎮守社として整備されたとみられる。間の宿とは宿場町と宿場町の中間に設けられた小規模な休憩地のことであり、原市は上尾宿と桶川宿の間に位置する重要な通過地点であった。江戸時代には原市の名主や農民たちが氏子となり、五穀豊穣と旅の安全を祈る社として地域の信仰を集めた。武蔵野台地の縁に位置する境内は見晴らしが良く、かつては農作業の合間に参拝する人々の姿が絶えなかったとされる。近代以降は周辺地域の産土神として氏子…