安傳寺は大阪府八尾市田井中に位置する真宗大谷派(東本願寺系)の寺院である。真宗大谷派は1602年(慶長7年)に徳川家康の政策によって本願寺が東西に分立した際、東本願寺(真宗本廟、京都・烏丸七条)を本山とする系統である。田井中地区は大和川流域に隣接した農村地帯で、江戸時代には幕領・大名領が入り組む地域であった。1703年(元禄16年)の大和川の付け替え工事によって河内の農地は大きく整備され、周辺の農村集落の生活基盤も変容した。安傳寺はこうした歴史的変遷のなかで田井中の菩提寺として機能し、地域住民の葬礼・法要から農業の豊穣祈願まで幅広く地域信仰を担ってきた。明治以降も真宗大谷派の末寺として法灯を継…