有馬温泉の起源は神代にさかのぼるとされ、大己貴命・少彦名命の二神が発見したと伝わる。文献上の初見は『日本書紀』で、631年(舒明天皇3年)に舒明天皇が、647年(大化3年)に孝徳天皇が相次いで行幸し湯治を行った記録が残る。奈良・平安時代には僧・行基が温泉を整備したと伝わり、仏教と結びついた湯治文化が形成された。中世には度重なる兵火や天災で衰退したが、16世紀末に豊臣秀吉が有馬を深く愛し、たびたび訪れて「湯山御殿」を造営したことで温泉街は復興・整備された。江戸時代には庶民にも広く開かれた湯治場として繁栄し、松尾芭蕉をはじめ多くの文人が訪れた。近代以降は鉄道の開通により京阪神からの観光地として発展…