チブサン古墳は熊本県山鹿市に位置する5世紀末〜6世紀初頭に築造された前方後円墳であり、石室内に描かれた鮮やかな装飾壁画で全国的に有名な装飾古墳である。名称の「チブサン」とは「乳の神様」を意味する方言に由来するともいわれており、古くから地域住民の信仰を集めてきた。石室の奥壁と側壁には、赤・白・黒の三色を用いた同心円・靫・盾・三角などの文様が整然と配置されており、その構成の美しさは装飾古墳の中でも最高水準と評価されている。奥壁中央の大きな同心円文様は「太陽」を表すとも解釈されており、古代の宇宙観・他界観を象徴するとして研究者から注目されている。山鹿市内には「オブサン古墳」など関連する装飾古墳も存在し、この地域が装飾古墳の密集地として知られている。チブサン古墳の石室は保護のため常時公開はされていないが、隣接する展示施設で詳しい情報を得ることができる。国の史跡に指定されており、九州の装飾古墳文化を…