長杉寺は大阪府豊能郡能勢町天王に位置する臨済宗妙心寺派の禅寺である。能勢の山村に根ざした寺院として、中世以降の禅宗普及の流れとともに地域に定着したと考えられる。臨済宗妙心寺派は花園天皇が元応元年(1319年)に創建した妙心寺(京都)を大本山とし、室町時代から江戸時代にかけて畿内各地に勢力を広げた。長杉寺もこの流れを受け、能勢の山村において禅の修行道場および地域住民の菩提寺として機能してきた。境内には樹齢を重ねた杉の大木が立ち並び、寺号の由来ともなっている。江戸時代には近隣村落の葬儀・法要を担い、今日においても地域の精神文化を支える拠点となっている。