月待の滝は茨城県大子町川山に位置する滝で、その正確な信仰の始まりは不明であるが、古来より修験道の聖地として人々に崇められてきたと伝わる。滝の裏側に回り込むことができる「裏見の滝」の構造が、禊や心身浄化の場として格別の霊威をもたらすと信じられ、中世以降、修験者や民間信仰の人々が参集したとされる。「月待の滝」の名は、十五夜の満月を滝の上方に待ち拝む月待信仰に由来するとされ、二十三夜講や十九夜講といった月待講が各地で盛んであった近世(江戸時代)にも、この地が信仰の場として機能していたと考えられる。縁結びと安産の御利益があるとの信仰は古くから続き、地域の人々に守り伝えられてきた。近代以降は修験道の組織…