大乗寺は但馬国美方郡(現在の兵庫県美方郡香美町)に位置する高野山真言宗の古刹で、奈良時代の神亀2年(725年)に行基菩薩が開いたと伝わる。平安期には弘法大師(空海)が中興し、真言密教の道場として整備されたとされる。中世には但馬国守護・山名氏の庇護を受けて寺勢を保ったが、戦乱で伽藍が荒廃した時期もあった。近世に最も著名となった縁は江戸時代の天才絵師・円山応挙との関係で、応挙は生涯最後の大仕事として弟子とともに客殿・書院の障壁画165面を制作し、没後に門人の長沢芦雪・源琦らが完成させた。この障壁画群は国の重要文化財に指定されており、「応挙寺」の別名で呼ばれる所以となっている。西国薬師四十九霊場第2…