伝長寺は大阪市天王寺区餌差町に位置する浄土宗の寺院である。寺号「伝長」は、長く伝え続けるという意を示し、法然上人の念仏の教えを後世へ伝承することへの願いが込められていると解される。天王寺区餌差町一帯は江戸時代に形成された大坂の「寺町」地区の一角であり、周辺には浄土宗・真言宗の寺院が密集している。大坂は17世紀以降「天下の台所」として商工業が発展し、町人たちは菩提寺を中心とした信仰生活を営んだ。伝長寺はそうした大坂の町人社会と密接に結びつきながら地域住民の葬祭・法要を担い、現代まで法灯を守り続けている。