富士見氷川神社は、平安時代後期の12世紀ごろに創建されたと伝わる。武蔵国に広く展開した氷川信仰の一社として、素戔嗚尊を祭神に勧請し、新河岸川沿いの低地に農村の守護神として祀られてきた。「水子」の地名は縄文時代に遡る古い地名で、神社の周辺には縄文時代前期の水子貝塚(国指定史跡)が存在し、人々がはるか古代から暮らしてきた地に社が営まれてきたことを示す。中世には新河岸川の水運を利用する農民や商人から水の神として崇敬を集め、たびたびの水害除けの祈願が行われた。江戸時代には村の鎮守として氏子組織が整備され、例大祭や囃子の伝統が育まれた。明治の神仏分離を経て近代的な神社体制に移行し、現在も古代からの信仰の…