この地は古くから万葉時代の和歌にも詠まれた霊地であり、「長門なる稲城の山の姫あやめ時ならずして如月に咲く」という歌が伝わる。景行天皇(第12代天皇)が犬鳴山の姫あやめの花と眺望に心を奪われ時を忘れたという伝承も残り、山全体が古くから神聖視されてきた。近世には山麓の各集落にそれぞれ「谷嶽稲荷」「谷森稲荷」「谷川稲荷」という三つの稲荷社が祀られ、地域住民の農業・漁業の守護神として信仰を集めた。昭和46年(1971年)、これら三社を一つにまとめる形で現在の犬鳴山上に新たな本殿が造営され、社名の「福徳」の二文字は谷川稲荷の石碑の銘文から採られた。平成6年(1994年)には本殿の大改修が行われ、現在の社…