浄山寺は、室町時代末期の1500年(明応9年)頃に創建されたと伝わる浄土宗の寺院である。金谷は古来より東京湾を挟んで三浦半島と向き合う海上交通の要衝であり、漁業・海運に携わる人々が多く暮らす港町として栄えた。そうした背景のもと、本尊の阿弥陀如来を中心とする念仏信仰は、海難除けや極楽往生を願う漁民・船乗りたちの篤い帰依を集めたとされる。近世には鋸山参詣や房総往来の旅人が金谷に立ち寄る機会が増し、浄山寺もその宿場的な休息地として地域に根付いていったと伝わる。明治以降の近代化に伴い金谷港の機能が整備されると、港町の守護寺としての性格をいっそう強め、地域住民の冠婚葬祭や年中行事の場として継承されてきた…