南蔵院は天文15年(1546年)、真言宗の僧侶によって現在の福岡県糟屋郡篠栗町に創建されたと伝わる。江戸時代には篠栗の地に根付いた民間信仰と結びつき、弘法大師空海への信仰を基盤とする四国八十八ヶ所写し霊場「篠栗四国八十八ヶ所霊場」の総本寺としての地位を確立していった。明治時代に入ると、一時期は新政府の神仏分離令や廃仏毀釈の影響を受け篠栗霊場が危機に瀕したとされるが、地域住民や信者の強い請願により霊場は存続が認められ、南蔵院はその中核として法灯を守り続けた。近代以降も参拝者の信仰を集め、20世紀末には全長41メートルを誇る世界最大級の青銅製釈迦涅槃像が本坊境内に造立され、広く知られるようになった…