実泉寺は、1550年(天文19年)頃に創建されたと伝わる曹洞宗の禅寺である。室町時代末期、戦国の動乱期にあって、北浦湖畔の地・半原に草庵が結ばれたとされる。曹洞宗は道元禅師を開祖とし、中世以降に東国各地へ広まった宗派であり、本寺もその法脈を受け継ぐものと伝えられる。境内に湧く清泉は古来より霊水として崇められ、万病に効くと信じられてきたことが寺名「実泉」の由来とされる。近世には周辺農村の菩提寺として檀家制度のもとに地域住民の冠婚葬祭・先祖供養を担い、鉾田の精神的な拠り所として定着した。明治維新後の神仏分離・廃仏毀釈の波は茨城県内の各寺院にも影響を及ぼしたが、実泉寺は地域の信仰に支えられ法灯を守り…