大仙市・美郷町にまたがる大規模な国の史跡で、平安時代初期に築かれた古代城柵の遺跡である。払田柵(ほったのさく)は9世紀初頭(810〜820年代頃)に造営された官設の城柵で、朝廷による東北支配のための軍事・行政施設として機能した。外柵の周囲は約3.6kmにも及ぶ大規模なもので、東北地方の古代城柵の中でも規模が大きく、保存状態も良好であることから学術的価値が極めて高い。発掘調査では多量の木簡・土器・金属製品が出土し、古代の行政活動や生活の実態が明らかにされてきた。現地では柵列(さくれつ:柵を構成する木製の塀の跡)が復元されており、古代城柵の構造を視覚的に理解できる。隣接する払田柵跡調査事務所・展示施設では出土品や発掘成果の展示が行われ、古代東北の歴史を学ぶ絶好の場となっている。大河ドラマ「麒麟がくる」の放映以来、古代史ファンの訪問も増加している東北屈指の古代遺跡である。