八丈島は伊豆諸島の南部に位置し、黒潮が流れる遠洋の孤島として江戸時代から流刑地として知られてきた。大賀郷は八丈島の主要集落の一つであり、島の行政・生活の中心として栄えてきた。方位神社は方位と航海の神を祀る八丈島固有の信仰形態を示しており、方向感覚が命取りになる大海原に生きる漁師や、島と本土を行き来する船乗りたちの信仰を集めてきた。関ヶ原の戦いで敗れた宇喜多秀家をはじめ、多くの流人が送られた八丈島において、方位神社は孤島に生きる人々と流人双方の精神的な方位磁針として大切にされてきた。現代においても島の航海安全信仰を守り続けている。