法輪寺は豊能町川尻に位置する高野山真言宗の寺院である。高野山真言宗の開祖・弘法大師空海(774〜835)は唐に渡って密教を学び、帰国後に高野山(和歌山県)を修禅の根本道場として開いた。空海の密教は即身成仏の思想と加持祈祷の実践を重んじ、貴族から庶民に至るまで広く信仰された。摂津国北部の山間地に位置する川尻地区は、高野山への巡礼路にも近く、真言密教の影響が自然と及んだ土地柄である。法輪寺は「法輪」の名が示す仏法の転輪・布教の象徴を寺号に冠し、地域の祈祷・葬送の場として古くから機能してきた。現在も高野山を総本山として仰ぎ、密教の法統を守り伝えている。