讃岐寺は奈良時代の天平年間(750年頃)、僧・行基が上総国を巡錫した際に開基したと伝わる古刹である。十一面観世音菩薩を本尊として祀り、坂東三十三観音に準ずる霊場として古くから巡礼者の信仰を集めてきた。「讃岐」という地名は、古代から上総国と讃岐国の間に何らかの交流があったことを示唆するとされる。中世には天台宗の寺院として法灯を継承し、現存する仁王門は室町時代の建築と推定され、金剛力士像とともに当時の造形を今に伝える。近世以降も養老川流域の地域信仰の拠点として存続し、洪水など自然の脅威と向き合いながら寺院としての歴史を重ねてきた。近代の廃仏毀釈の波を経てもなお法灯は絶えず、現在も市原市の古代から中…