箱根ケ崎142番地に鎮座するこの稲荷神社は、同じ箱根ケ崎地区内の129番地の稲荷神社とは別に維持されてきた稲荷社で、地区内の異なる小集落または街区がそれぞれ産土神として個別に奉じてきた信仰の形を示している。江戸期の農村では、大字・小字単位で氏子組が形成され、各組が独自の鎮守や稲荷社を維持する慣行が各地に見られた。箱根ケ崎が宿場町として発展する中で、街道筋の商家が集まる街区と農家が中心の街区でそれぞれ稲荷社を奉じた可能性が高い。現在も氏子による祭礼が行われ、箱根ケ崎の地縁コミュニティの絆を守り続けている。