雄勝の硯づくりは室町時代中期(15世紀頃)に始まったとされ、600年以上の歴史を持つ。地元産の黒色粘板岩(スレート)は硬質で緻密な石質が書家に珍重され、江戸時代には将軍家や諸大名にも献上される名産品となった。明治以降も書道文化の隆盛とともに全国に流通し、昭和60年(1985年)には国の伝統的工芸品に指定された。雄勝石のスレートは屋根材としても高く評価され、明治末に竣工した東京駅丸の内駅舎の屋根に使用され、2012年の復元工事でも雄勝石が採用された。2011年の東日本大震災では雄勝町が壊滅的な被害を受け、伝統産業会館も被災した。しかし地域の職人たちは伝統技術を守り続け、復興の歩みとともに会館を再…