如願寺は大阪市平野区喜連に所在する真言宗御室派の寺院である。平野は古代より摂津国の要地として栄え、多くの寺院が集積した地域である。真言宗御室派は仁和寺を総本山とし、宇多法皇が888年(仁和4年)に創建した門跡寺院の法灯を受け継ぐ。弘法大師空海が9世紀初頭に唐から持ち帰った密教の教えは、真言宗各派を通じて全国に広まり、如願寺もその流れを汲む地域の信仰拠点として機能してきた。平野区一帯は中世に平野郷として自治的な惣村共同体を形成したことで知られており、この地に根付いた寺院群はその歴史的文脈のなかで地域住民の精神的支柱となってきた。