鉄山寺の正確な創建年代は不明であるが、真言宗の霊場として弘法大師(空海)を本尊に祀り、古くから喜界島の仏教信仰の中心として機能してきたと伝わる。喜界島は平安時代末期の1177年(治承元年)頃、平康頼・俊寛・藤原成経の三人が鬼界島へ配流された事件と結びついており、平康頼が島で仏道に帰依したとされる伝承が残る。また1185年(文治元年)の壇ノ浦の戦い後、落ち延びた平家の人々が島に流れ着いたとの伝説も語り継がれ、寺院には長年にわたる人々の祈りと悲哀が積み重ねられてきた。中世から近世にかけて南島の仏教文化を担う霊場として地域住民の崇敬を集め、薩摩藩政期においても島の精神文化の拠点として維持されたとみら…