甲斐銚子塚古墳は山梨県甲府市(旧・中巨摩郡)に所在し、甲斐国(現・山梨県)最大規模の前方後円墳として知られている。全長は約169メートルで、4世紀後半に築造されたと推定される。古墳は甲府盆地の南側、南アルプスの山麓を望む高台に位置しており、「東山梨古墳群」の主墳にあたる。発掘調査では埴輪・葺石・土師器などが出土しており、首長墓としての典型的な様相を呈している。甲斐国は古代においても独自の勢力圏を形成しており、銚子塚古墳の被葬者はヤマト王権と連携しながら甲斐盆地を支配した大豪族と推測される。「銚子塚」という名称は、墳丘の形状が酒器の銚子(ちょうし)に似ていることに由来する。隣接する地には摂社・丸山塚古墳(帆立貝式前方後円墳)もあり、一帯が古代の首長層の葬送地として機能していたことが窺える。現在は国の史跡に指定され、展望台なども整備されており、甲府盆地の雄大な景色とともに古墳を楽しめる。