日蓮正宗は、鎌倉時代の僧・日蓮聖人(1222〜1282)の教えを直接継承すると主張する宗派で、静岡県富士宮市の大石寺を総本山とする。日蓮は法華経こそが末法の世の唯一の救いであると唱え、「南無妙法蓮華経」の題目を広めた。日蓮正宗はその流れを汲みつつ、大石寺に安置される弘安2年(1279年)の大御本尊への信仰と御書の研鑽を中心とする独自の教義体系を確立した。覚仁寺は守口市大枝西町に位置し、日蓮正宗の末寺として法華経信仰の道場の役割を果たしてきた。摂津国においても日蓮宗系の信仰は中世以降に広まり、法華経の読誦と題目の修行が地域住民の間で受け継がれてきた。「覚仁」の寺号は、覚りと仁慈を意味し、仏法の悟…