神栖白山神社は、正安年間(1299〜1302年)頃の創建と伝わる。加賀国(現在の石川県)の白山を本宮とする白山比咩大神を勧請したものとされ、中世における修験者たちの東国布教活動によって鹿島灘沿岸にも白山信仰が伝播した経緯が背景にあると考えられている。白山信仰は修験道と深く結びついた山岳信仰であり、五穀豊穣・病気平癒の御利益をもって広く民衆に受け入れられた。近世には地域の鎮守として矢田部の村落共同体に根付き、農漁村の暮らしを守る社として崇敬を集めたとされる。江戸時代を通じて地域住民による維持管理が続けられ、松林に囲まれた現在の境内の姿が形成されていったと伝わる。明治時代の神仏分離令以降は純粋な神…