観音寺は大阪市生野区猪飼野東に位置する単立の仏教寺院である。猪飼野一帯は古代より渡来人が多く居住した地として知られ、古墳時代から継続的に人々が暮らしてきた歴史ある地域である。観音信仰は平安時代に西国三十三所観音霊場が成立したことで広く普及し、観音菩薩を本尊とする寺院は全国各地に広がった。生野区においても、近世以降の市街化の進展とともに地域住民の信仰の場として寺院が形成された。観音寺はいずれの宗派にも属さない独立した寺院として、観音菩薩への篤い信仰のもとに地域の人々の拠り所となってきた。特定宗派の制約を受けない独自の宗風で、地域の仏事・祈願を担い続けている。