鴉宮は大阪市此花区伝法に鎮座する神社で、神社本庁の包括下に置かれる。「鴉宮」という社名は、カラスを神使(神の使い)とする信仰に由来するとされ、熊野信仰との関連が指摘されることもある。熊野権現の神使である「ヤタガラス(八咫烏)」は、古代より神の導きを象徴する霊鳥として崇敬されてきた。伝法の地は大阪市の西部・木津川と淀川に挟まれた水郷地帯にあり、古代から水運の要所として栄えた。江戸時代には伝法川沿いに船大工や廻船業者が多く集住し、航海の安全を祈る信仰がこの地で盛んであった。鴉宮はこうした伝法の歴史的・地理的背景のなかで、地域住民の守護神として長く信仰を集めてきた。