恵光寺は大阪市西区九条南に位置する日蓮宗の寺院で、鎌倉時代に日蓮聖人(1222〜1282)が開いた宗派の流れを汲む。日蓮は安房国(現千葉県)に生まれ、比叡山・高野山・鎌倉などで修学ののち、1253年に「南無妙法蓮華経」の唱題を打ち立てて法華経信仰を宣揚した。その激しい他宗批判と予言的言動のため幕府から流罪・死罪を命じられながらも教えを曲げることなく布教を続け、弟子たちによって全国に広まった。恵光寺は「恵み」と「光」を冠する寺号が示すように、法華経の功徳によって衆生に恵みと光をもたらすことを願って命名されたと伝わる。大阪という商都の下町に根付いた当寺は、江戸期以降の町人信仰を受け止め、題目の声が…