顕本寺は堺市堺区宿院町東に所在する法華宗本門流の寺院で、京都・本能寺を大本山とする。法華宗本門流は日蓮の孫弟子・日隆(1385〜1464)が室町時代に開いた宗派で、法華経の「本門」を唯一の正統として立てる立場をとる。堺は戦国時代に法華宗信者が「天文法華の乱」(1532〜1536年)に連動して一揆を起こすほど法華信仰が根付いていた都市であり、宿院町周辺には複数の法華系寺院が集中する。顕本寺はこうした法華宗の歴史的風土に立つ寺院として、「南無妙法蓮華経」の唱題信仰を地域に伝え、町衆の精神的拠り所としての役割を果たしてきた。