菊泉寺の起こりは、天正15年(1587年)頃に交雲宗易がこの地に薬師如来を安置して薬師堂と称したことに遡ると伝わる。寛文6年(1666年)頃、遠州元弘と興倫元苗の両大和尚が村中に一宇の堂を建て、薬師如来を迎えたのが寺としての菊泉寺の始まりであり、開山(初世)は朴鼎豊淳大和尚とされる。およそ350年の歴史をもつ曹洞宗の寺院である。元禄年間(1688〜1704年)には、名古屋の豪商・伊藤次郎左衛門祐良が十一面観音菩薩と地蔵尊を寄進し、以後この十一面観音が本尊として祀られるようになった。伊藤次郎左衛門の名は、のちの百貨店・松坂屋へと続く呉服商「いとう屋」を興した名古屋の豪商の名跡として知られる。嘉永…