霧島温泉郷の開湯は定かではないが、霧島山の火山活動に伴い古くから自然湧出する湯が地域の人々に利用されていたとされる。江戸時代には薩摩藩の支配下で湯治場として整備が進み、硫黄谷温泉や林田温泉など各地区の温泉が藩士や庶民の療養の場として栄えたと伝わる。近世には霧島神宮への参詣客が温泉を利用する文化も根付いた。明治維新直後の1866年(慶応2年)、薩摩藩士の坂本龍馬とお龍が西洋式ハネムーンを意識した旅を行い、霧島温泉郷を訪れたことが記録に残る。これは日本初の新婚旅行とも称され、広く知られるようになった。明治以降は近代的な宿泊施設の整備が進み、標高500〜700メートルの山腹に湧く硫黄谷・林田・栗川・…