梼原町は高知県西部、四国山地の標高800〜1,000メートル超の山間部に位置する。古くから土佐と伊予を結ぶ山道の要衝として栄えたとされ、中世以降は山岳信仰や修験の地としての性格も帯びていたと伝わる。近世には土佐藩の支配下に置かれ、山間の小村として生計は主に林業・農業に依存していた。幕末期の1862年(文久2年)、土佐勤王党に属した坂本龍馬が土佐藩を脱藩する際、梼原を経由して伊予へ抜けたとされる。この「脱藩の道」は現在も一部が残り、龍馬ゆかりの地として広く知られる。明治以降は近代化の波を受けながらも過疎・高齢化という山村共通の課題に直面した。20世紀末から21世紀にかけて、町は独自の地域振興策と…