高妻神社は糟屋郡新宮町の沖合約7.5キロに浮かぶ相島(あいのしま)に鎮座する。正式名称は「高妻権現社」で、祭神は彦火火出見尊(山幸彦)。島民は「位の高い神」として深く崇め、社殿背後の磐座を中心とした古代的な祭祀形態を今に伝える。相島は『万葉集』や『続古今集』に詠まれた歌枕の島であり、島北部には国指定史跡「相島積石塚群」が残る。これは4〜5世紀頃に朝鮮半島の渡来人が築いたと考えられる積石式古墳群で、対馬海流を越えた大陸との交流を物語る遺産である。江戸時代には朝鮮通信使(李氏朝鮮から江戸幕府への外交使節)が相島に寄港し、文化交流の舞台となった。島の集落では古来より厳しい禁忌が守られており、高妻神へ…