万田坑は、明治中期より日本最大級の石炭産出量を誇った三井三池炭鉱の主要坑口のひとつである。三池炭鉱は江戸期の元禄年間(1688〜1704年)に採炭が本格化し、明治維新後の明治6年(1873年)に政府の官営鉱山となった。明治22年(1889年)に三井家へ払い下げられ、三井鉱山株式会社のもとで近代的な採炭設備が整備された。万田坑の第一竪坑は明治35年(1902年)に完成し、続いて第二竪坑が明治41年(1908年)に完成。当時の最新技術を駆使したレンガ積み竪坑櫓と蒸気動力の巻き揚げ機は、日本の近代化を象徴する産業施設として高く評価されている。万田坑は昭和26年(1951年)に閉坑したが、坑口施設の多…