熊野神社はあきる野市小川639番地に鎮座し、同じ小川地区に存在するもう一社の熊野神社(470番地)とは別の集落を氏神としてカバーする社である。同一地区に同名の神社が複数存在することは、かつての集落が分散した農村形態を持ち、各集落が独立した鎮守社を維持していたことを示している。紀州熊野の神々を勧請する熊野信仰は中世から江戸時代にかけて広く普及し、秋川流域においても複数の集落が競って熊野社を勧請した。小川地区の二社の熊野神社は、この地域における熊野信仰の根強さを今日に物語る存在であり、それぞれの集落の氏神として住民の信仰を集めてきた。