栗野岳温泉は、鹿児島県姶良郡湧水町(旧・栗野町)の栗野岳山麓に湧く温泉で、江戸時代初期ごろから湯治場として利用されてきたと伝わる。単純硫黄泉を特徴とし、薩摩藩領内の秘湯として地域の人々に親しまれてきた。1700年代には湯治場としての体裁が整えられたとされ、農民や武士が療養に訪れたと伝わる。幕末期には、1866年(慶応2年)に薩摩藩の仲介で成立した坂本龍馬とお龍の婚礼ののち、両人が西日本各地を旅した際にこの地を訪れたとされる。この旅は日本初の新婚旅行とも称され、栗野岳温泉はその立ち寄り地として広く知られるようになった。明治以降も湯治文化は継承され、近代においても療養・保養を目的とした湯治客が訪れ…