福山市草戸町に鎮座する稲荷神社で、隣接する真言宗の名刹・明王院の鎮守を起源とする。社伝によれば、平安時代の大同2年(807年)、空海(弘法大師)が明王院を開いた際に、その鎮守として稲荷神を祀ったのが始まりと伝わる。もとは芦田川の中州に発達した中世の町・草戸千軒町に鎮座する小社であった。江戸時代の寛永10年(1633年)、初代備後福山藩主水野勝成が現在の地に再建した。京都伏見稲荷の系統に連なり、日本稲荷五社の一つに数えられることもある。斜面にせり出す壮大な朱塗りの本殿で知られ、初詣には約四十万人が参拝する広島県屈指の稲荷神社である。