横手市増田町に広がる国の重要伝統的建造物群保存地区で、江戸時代後期から明治・大正時代にかけて商家が繁栄した「内蔵(うちぐら)」の町並みが特徴的な歴史的景観を形成している。「内蔵」とは主屋の中に蔵を内包する独特の建築形式で、雪の多い秋田の気候に適応した合理的な住居形式として発達した。増田は江戸時代に佐竹氏の城下町の外港・在郷町として栄え、米・木材・薬種などの交易で富を蓄えた豪商たちが競って内蔵を構えた。現在も中心街には20棟以上の内蔵が保存されており、一般公開されている内蔵では精緻な漆喰彫刻・欄間彫刻・鉄扉など豪商の財力と職人技が結晶した空間を見学できる。毎年「増田の蔵フェスタ」が開催され、内蔵を活用したアート・文化イベントが蔵の町を彩る。雪深い秋田の風土が生んだ独自の建築文化「内蔵」を間近に体感できる、全国でも類を見ない希少な歴史的景観として高く評価されている。