二口峠は仙台市太白区秋保と山形県を結ぶ峠で、古くから出羽と陸奥を結ぶ交通路として知られた。平安時代(9世紀頃)には修験道の霊路として開かれたと伝わり、山形の山寺(立石寺)から二口峠を越えて奥州へ至る道は修験者たちが往来した霊山修行の道とされる。峠周辺にそびえる巨大な岩壁「磐司岩」は高さ約150メートル、幅約3キロに及び、平安時代の伝説上の鬼・磐司磐三郎の棲みかであったと伝わる。中世には羽黒山を中心とした修験道の隆盛とともにこの道の宗教的重要性が高まったとされる。近世、元禄2年(1689年)には松尾芭蕉が『奥の細道』の旅において山寺を訪れた際、この二口峠の道筋を経由したとされ、その紀行文にも磐司…