和泉に所在する文殊院は、高野山真言宗に属する寺院で、文殊菩薩を本尊として祀る。文殊菩薩は「三人寄れば文殊の知恵」の諺でも知られる知恵の仏であり、学問・知識・悟りへの導きを司る。高野山真言宗は空海(弘法大師)が開いた真言密教の正統を継ぐ宗派であり、加持祈祷と密教儀礼を重んじる。神田川流域の和泉・永福地区は農村から都市へと変貌する中で、地域の菩提寺として文殊院が担ってきた役割は精神的な連続性を保ち続けた。現在は受験シーズンを中心に学業成就祈願の参拝者が訪れるほか、葬祭・法要でも地域住民に親しまれ、空海の密教の法灯を今日に伝える寺院として和泉の地に根付いている。